性別のない世界に行きたい。

性別のない世界に行きたい。

なぜこの世界では、「人」ではなく「男」「女」であらねばならないのか。

こんばんは。

薫です。


思い返せば私は、

幼少期から

『分からないこと』が多かった。


なぜ、

子供の世界より

大人の世界のほうがつらいと、

大人が子供に言って聞かせるのか。


なぜ、

同じトマトの絵を描いても、

大人である母のほうがうまいのに

私に『上手ね』というのか。


なぜ、

子どものほうが、

大人より気楽(とされている)のか。




そして私は大きくなり、

学校集団に放り込まれた。


私の『分からないこと』は

増えていった。


なぜ、同じ人間なのに

『男の子なのに』

『女の子だから』があるのか。


なぜ、乱雑な字だと、

『男のよう』だと

けなされるのか。



大きくなるにつれ、

『女の子』である術を身につけ、

それはまるでコスプレのようだった。


女という鎧は、

今を生きる人間『薫』の鎧でもあり、

身を刺す刃でもあった。




社会に出ると更に

『分からないこと』が増えた。


女は男に勝ると

相当面倒なことになると知り、

『バカな女』という鎧を身につけた。



その鎧を身につけて

軽やかに舞っていれば、

それなりにやっていけると信じていた。



私には、

一貫して分からないことがある。


それは、心の性別だ。



男、女というのは

あくまで戸籍の便宜上のものであり、

人は、あくまで人なのだ。


男、女は記号であり、

区分けしていけば、人なのだ。




いま、わたしはカフェで

酒を飲んでいる。


空間には、

体の性別で言えば

男、そして女がいる。


ただ、私には

『人間』がたくさんいるように見える。



なぜ人は、

自らを『男』『女』と

判断できるのだろう。


何をもって、

どうして、

どうやって。



わたしは、人だ。

紺野 薫だ。



女という鎧を纏い続けるには、

少し弱かった。


でも、別に。


 Xジェンダーと出会って、

わたしは堂々と鎧を投げた。


私は、人だ。